日本仏教の母山
百人一首で有名な慈円は、比叡山について「世の中に山てふ山は多かれど、山とは比叡の御山(みやま)をぞいふ」と比叡山を日本一の山と崇め詠みました。
それは比叡山延暦寺が、世界の平和や平安を祈る寺院として、さらには国宝的人材育成の学問と修行の道場として、日本仏教各宗各派の祖師高僧を輩出し、日本仏教の母山と仰がれているからであります。
天台宗の教え
天台大師智(ちぎ 538年〜597年)の教えを日本に伝え、比叡山を開いて教え弘めたのは
伝教大師最澄(さいちょう)です。その教えは…
第一:全ての人は皆、仏の子供と宣言しました。(悉有仏性) |
釈尊が悟りを開かれたから、悟りの世界が存在するのではありません。 それはニュートンが林檎の落ちるのを見ようが見まいが引力が存在するのと同じことです。
悟りへの道は明らかに存在するのです。 そして悟りに至る種は生まれながらにして私たちの心に植付けられていると宣言しました。 あとはこのことに気付き、その種をどのように育てるかということです。
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第二 :悟りに至る方法を全ての人々に開放しました。 |
仏教には八万四千もの教えがあると言われていますが、それらは別々な悟りを得る教えではなく、全ては釈尊と同じ悟りに至る方法の一つでもあるのです。 例えば座禅でも念仏でも護摩供を修することでも、
巡礼でも、写経でも、もっと言えば茶道、華道でも、また絵画、彫刻でも方法はさまざまでいいのですが、そこに真実を探し求める心(道心)があれば、そのままそれが悟りに至る道です。日常の生活にもそれは言えることです。
多くの開祖を輩出した天台宗が日本仏教の母山と言われるのも、また日本文化の根源と言われるのもこのことからです。
第三 :まず、自分自身が仏であることに目覚めましょう。 |
そのために天台宗ではお授戒を奨めています。 戒を授かるということは我が身に仏さまをお迎えすることです。仏さまとともに生きる人を菩薩といい、その行いを菩薩行といいます。
心に仏さまを頂いた人たちが手を繋ぎ合って暮らす社会はそのまま仏さまの世界です。 一日も早くそんな世の中にしたいと天台宗では考え「一隅を照らす」運動を進めています。
まず自分自身を輝いた存在としましょう。その輝きが周りも照らします。 一人一人が輝きあい、手をつなぐことができればすばらしい世界が生まれます。
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